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【レポート】ボーイだった ミーツ ガールだった アワー 【リーディング公演『おとこたち』『きよこさん』(構成・演出:岩井秀人)】

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2021年6月26(土)11:00~ 稽古初日

7月4日(日)14:00~ 「きよこさん」公演

@サントミューゼ 大スタジオ

 

昨年に引き続き、作家・演出家・俳優であり、劇団ハイバイ主宰の岩井秀人さんによる、市民参加公演が開催されました。昨年はコロナ禍により、残念ながら公演は映像配信での発表になりましたが、今年は、感染対策をしながら無事、公演を行うことができました。

 

今回は、公演1週間前からスタートした稽古初日の様子と、「きよこさん」公演の模様をレポートします。

 

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6月26日、11時の稽古開始を前に、オーディションで選ばれた参加者のうち17名がサントミューゼ大スタジオに集まりました。

 

最初に岩井さんが参加者に熱いメッセージを伝えます。

「1週間で2本の作品をつくるというのは、無茶な話です。台本を体験することが、みなさんに僕から最大限与えられるもの。本番まで事故の連続で、なんなら本番も事故。それでいいんです。でも俳優としては、作品でお客さんとつながって、物語自体を体験することを味わってください」

 

稽古初日は本読み(読み合わせ)。ロの字型に長机を並べ、お互いの顔を見ながら台本を読んでいく稽古です。岩井さんが暫定的な配役を指定して、1場ずつ進めていきます。

 

 

 

 

まず、岩井さん作の「おとこたち」。約2時間かけて通し、昼休憩をはさんで、劇団ハイバイ所属の川面千晶さん作「きよこさん」へ。途中、何度か配役を変えながら、岩井さんから「もっとキャピキャピした感じで」「きよこさんは、燻製器の話みたいな関係のない話をして」と、適宜指示が入っていきます。俳優のセリフ回しがみるみる変化していくのが面白いところです。

 

さらに、配役を変えて「おとこたち」の3場、「きよこさん」の冒頭と、重点的にやりたい場面をピックアップ。ひととおり終わったところで、改めて岩井さんが配役を発表します。

 

初日の稽古は17時前に終了。翌日からは、動きや舞台での立ち位置といった演出をつけながらの稽古に入っていきます。

 

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公演は、7月3日(土)・4日(日)の2日間で、それぞれの演目を2回行います。以下にお伝えするのは、2日目の「きよこさん」公演の模様です。

 

今回の公演は、俳優が台本を手にしながら演じる「リーディング公演」という形式をとっています。身体表現を伴わない朗読や稽古のはじめに行う読み合わせと異なり、稽古を通して俳優は台本やセリフ、役を体に入れて公演に臨みます。

 

この回のお客様は約50名。最初に俳優のひとりが面白おかしく観劇中の注意事項を伝えると、会場から一斉に笑いが起こります。すでに芝居がはじまっているのです。

 

タイトルにもなっているきよこ役は、長山知史さんと高橋映美子さんの2名体制。舞台にふたりが同時に立つこともある不思議な設定にも関わらず違和感がないところに7日間の稽古の密度が垣間見えるようです。

 

「きよこさん」は作者・川面千晶さんの自伝的作品で、大学時代にアルバイトしていたスナックの同僚きよことの日々を描いています。

 

配役は稽古初日とほぼ同じ。1週間という芝居をつくっていくには無茶な時間で、俳優たちが役を自分のものにしていることにまず驚かされます。

 

 

 

 

 

 

舞台には黒い階段状のセットと黒いイスが4客あるだけで、セットらしいセットはありません。そのことが逆に俳優の演技を際立たせていて、客席との近さもあいまって、お芝居を見ているというよりは、それぞれの人生に意識がグッと入っていくような感覚がありました。

 

最後、きよこが飯島さんとの短い結婚生活を吐露するところは、とりわけ胸に迫ります。セリフ自体にはある種のバカバカしさで満ちているのに、きよこの悲しみや怒り、無念さが交錯して、おもしろ悲しいという不思議な感覚にとらわれました。

 

きよこの思わず脱力する決め台詞で暗転し、幕切れ。カーテンコールでの俳優たちの顔が、公演の成功を物語っているようでした。

 

 

 

 

 

 

公演を観たお客様の感想です。

 

「2日とも観て、それぞれ客席が左側と右側だったので、俳優さんの表情が違って見えて面白かったです。いろんな感情が出ていたのが印象的でした」と話してくれたのは、岩井さんの作品を何度か見ているという男性。

リーディング公演に興味があって来たという男性は、「想像していたよりヘビーで驚きました。見せ方がとても面白かったです」と感想を話してくれました。

ふたり組の女性は、「面白くて楽しくて、うんと笑いました」と、満足そうな表情を浮かべていました。