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【レポート】うえだアーツスタッフアカデミー第3期

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平成28年度うえだアーツスタッフアカデミー
「文化芸術活動の企画・運営を学びませんか?」

うえだアーツスタッフアカデミーでは、劇場の企画や運営に焦点をあてて、地域とアートをつなぐアートスタッフのための講座です。

昨年に引き続き(公財)せたがや文化財団音楽事業部アドバイザーの楠瀬寿賀子さんが講師となり、座学やワークショップなど7回の講座通じて、コンサートの企画・運営について学びました。

 


第1回 1月12日(木)アーツスタッフ入門
今回で3回目の開催となったうえだアーツスタッフアカデミー。

HPやチラシなどを見た12人が、「企画する」「地域とアートをつなぐ」「楠瀬先生に憧れて」「サントミューゼが主催」などさまざまな点に興味を抱いて、長野県のさまざまな地域から集まりました。

 


この日は講師の楠瀬さんから配布された資料や映像を見ながら「コンサートの企画・制作~アウトリーチやワークショップの事例も交えて~」をテーマに学びました。

 


 

第2回 1月20日(金)ワールドカフェ
前半ではコンサートを実施する時にどのような仕事をする人たちと関わるのか意見を出し合いました。

例えばチラシを作るために「デザイナー」、デザインしたチラシを刷るためには「印刷会社」、チケットを売る「チケットプレイガイド」、アーティストを送迎する「タクシー業者」、宣伝をする「報道関連」、その他にも当日には調律師、レセプショニスト、カメラマンなどが挙げられました。

1つのコンサートが実現するまでにはたくさんの人の力が必要となることが見えてきました。

 

後半では「上田に若者を呼び込もう」をテーマに実際に住んで仕事をする人を増やすためには何が必要かをワールドカフェ方式で行いました。

受講生は3つのグループに分かれて、机に用意された大きな紙にどんどんキーワードを書き込んでいきます。

「若者が得意なことって何だろう?」「上田市の情報はどこから取り入れる?」「上田市の魅力って何?」など多方向から考えを浮かべていきます。

最後の発表では下記のようなアイデアが生まれました。

 

・昭和というキーワードで集まる場所を作りたい。例えばゲストハウスを中心に貸本屋や銭湯などが密集した小さな村のような場所を作る
・フリーマーケットを軸にホコ天や居酒屋などを作る
・若者が興味があるアニメ、コスプレなどのクリエイターの活動や発表の場、またIT関連企業に上田市内の空き家や蔵を活用してもらう

 

このようにテーマを設けて活発にディスカッションを通し発表することで、どのように相手に自分の考えを伝えるのか、相手の意見もふまえてどう膨らませるのかなどを考える機会となりました。


 

第3回 1月30日(月)ワークショップ体験
本年度のうえだアーツスタッフアカデミーが企画・運営するコンサートの出演者であるパーカッション・マリンバ奏者の宮本妥子さんと後藤ゆり子さんと初顔合わせし、宮本さんたちによるワークショップを体験しました。

内容は、色から連想した言葉を組み合わせて詩を作り、そのイメージを打楽器で即興演奏するというもの。

小ホールのステージ上に並べられた色紙と、宮本さんがこの日のために持ってきてくれた数十種類もの打楽器。

 

 

初めて見る打楽器の不思議な形状や音色に、受講生は興味津々。

 

 

即興演奏へのとまどいは残しつつも、視覚から取り入れた情報を形にして、音に伝える試みを存分に楽しみながら体験していきました。

 


最後に披露した即興演奏はどれも「本当に初めて?」と思うほどすばらしいものでした。

この日のワークショップを終えて受講生からは「打楽器へのイメージが大きく変わった」「打楽器には音階がない分、自由に楽しめた」などの声が上がりました。

 

 


 

第4回 2月9日(木)プログラムを考える①
実際にプログラムを考えるために、これまで宮本さんと後藤さんが演奏してきた曲を聴く体験から始めました。

この日に用意したのは映像で「鏡月」「机の音楽」の2曲、生演奏では「ホカヒ」「シュラーク」「Dear」を披露しました。

 

 

 

その後各自10分程度で感想をまとめて発表し、4つのグループに分かれてプログラムを考えるディスカッションへ。

「音の行方を探す」「音の魔術師」「旅人」「言葉と音楽」「打楽器の可能性を知ってもらいたい」などのキーワードが出されていきました。

 

 


 

第5回 2月10日(金)プログラムを考える②
期間中で唯一2日連続で行われた授業。

 

 

 

前日9日の授業で受講生から出た曲への感想、プログラムのイメージでは、「普段演奏する時に思っていることがそのまま伝わっていてうれしかった」と宮本さん。

そして1音1音出した音がそのまま消えてしまってほしくないと、宇宙に向かって出しているイメージで弾いているなど、音に対する想いを話してくれました。

 


その後はイメージや言葉からキャッチコピーを作り、後半ではそのキャッチコピーを生かした内容のコンサートは実現できるのかなどの内容でした。

 

後日宮本さん、後藤さん、楠瀬先生によって下記のキャッチコピーに決定しました。
あなたの心を旅する打楽器アンサンブル
宮本妥子 打楽器&マリンバコンサート

 

 


 

第6回 2月17日(金)伝えることばを見つける
宮本さんから「上田の民話や伝説、行事などを盛り込んで即興演奏したい」という要望に答えるべく、どんな題材が適しているのかを話し合いました。

 

 

「つつじのむすめ」、雨乞いの祭り「岳の幟」、詩人清水みずほなどが挙げられ、実際に数分で即興できそうかなどを検討していきました。
また後半ではチラシの裏面に入れるコンサートの内容を伝えるリード部分を考え、最終的には下記の内容で決定しました。

 


マリンバ、ジャンベ、おりん……あなたはいくつ打楽器を知っていますか?
女性デュオの打楽器奏者が創り出す躍動感と静けさ
寄せては返す波のような音の世界へ―

 

 

またチラシ候補案からどれが一番イメージに近いか意見をぶつけながら決定しました。

 


 

第7回 3月6日(月)コンサートの舞台裏
コンサートに向けた最後の授業では、コンサートの舞台となるステージやバックステージ、照明や音響などを見学しました。

 

 

ステージから見る客席の広さに驚いたり、照明の配置の仕方でいかに雰囲気が変わるのか。

 

 

またアーティストがまぶしくならないようどのように配慮しているのかなどを教えてもらうことで、さまざまなプロの手によって1つのコンサートが作られていることを知る機会になりました。

 

 


 

第8回 3月22日 コンサート当日
受講生たちはチケットのもぎり、観客の誘導、交通整備、照明などの担当に付いて裏方としてコンサートをサポートしました。

チケットは完売し、コンサートも大盛況の中、幕を閉じました。

 

 

最後の振り返りでは

 

「リハーサルから全力で演奏する宮本さんと後藤さんからプロの姿を感じ取った」

「企画する側として参加したことで、観客として訪れた時とは異なる喜びや楽しみを知ることができた」

「自分の世界観が広がった」

 

などアカデミーの内容に満足した様子が感じられました。

 

「みんなで作り上げた期間は大きな宝物です。皆さんがいたからリハーサルも本番モードになりました。今回このアカデミーのアーティストとして参加できて幸せです」と宮本さん。

 

「企画制作を通して初めて出会う人たちと一緒に1つのものを作り上げる作業を通していろんな見方を知り、伝え方を学んでいきます。ここで得たことは決してコンサートに限らず日常生活や普段の仕事の中でも生きていくはずです」

と楠瀬さん。

 

 

コンサートだけではなく、毎日の生活をより快適にするヒントがたくさん散りばめられた講座となりました。

 

全7回の「うえだアーツスタッフアカデミー」で企画・運営した宮本妥子さんのコンサートの様子はこちらでレポートをしています。あわせてご覧ください。