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【レポート】新居由佳梨~アナリーゼワークショップvol.26~

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新居由佳梨ピアノリサイタル関連プログラム
アナリーゼワークショップ

2018年10月5日(金) 小ホール

 

 

26回目となるアナリーゼワークショップは、11月10日(土)に開催される『新居由佳梨リサイタル 〜幾重にも重なり合う旋律〜 ポリフォニー音楽を中心に』のプログラムから行われました。

 

颯爽とステージに登場したピアニストの新居由佳梨さん。

まずは挨拶代わりにバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」を演奏しました。

イエス・キリストへの感謝や喜びを歌ったこの曲は11月のリサイタルでも最初に演奏予定だと話しながら、リサイタル名に付いている「ポリフォニー」について、ステージ上に用意したスクリーンに譜面を写しながら解説。ポリフォニーとは多声音楽という意味で、複数の声部からなり、それぞれが独立した旋律やリズムを持ちながら絡み合って行く様式の音楽です。

 

 

 

「ポリフォニーはメロディーを伴う、という部分がとても重要です」

と1曲目に演奏したバッハの曲を例にしながら、解説を続けていきます。

また「旋律が重なり合うところを取り出すと、きれいに和声が出てくるんです。作曲家は、きちんと和声を考えた旋律を作る。それもすごいなと感じる部分です」と新居さん。

 

つづいて2曲目に演奏予定だというバッハの「イタリアン協奏曲」の第3楽章プレストの譜面を見せながら、

「バッハは基本的にはポリフォニー音楽の作曲家だと考えている」と新居さん。

実際に演奏して、右手と左手がまるで対話をしていくように曲が進むようだと表現しました。

 

ポリフォニーの種類は、大きく3つに分かれます。

  1. 輪唱
  2. カノン
  3. フーガ

 

リサイタルの3曲目には「フーガの技法」を予定しており、この曲はフーガというソプラノ、アルト、テノール、バスの4声からなる形式で作られています。最初に「主題」(テーマ)があり、それに応えるように同じものを違うパートで演奏する「応答」、再び「主題」を別のパートが演奏して「応答」と引き継いでいく関係があり、応答の影には必ず裏メロのような対旋律があります。

「その関係を言葉で言うなら、主題で『今日はいい天気ですね』と言ったら、対旋律では『洗濯物がよく乾きそうですね』と同じような雰囲気を持ち、関連する内容で作られていく」と日常生活に例えながら解説していきました。

 

 

これを4回くり返したものが「第一提示部」となり、このスタイルが必ずフーガにあります。

そして提示部と提示部とつなげるものが「推移部」など、専門的な話を譜面に色をつけながら丁寧に細かく教えていきました。

 

 

バッハに続いて紹介したのは、「ヴァイオリン・ソナタ」で知られるベルギーの作曲家フランクです。

フランスで活躍した作曲家で、バッハに多大なる影響を受けた1人です。そして大御所となった62歳の時に作ったのが、ポリフォニーをモチーフにした全3部作からなる「プレリュード、コラールとフーガ」です。

大きな特徴は2つあり、1つは半音階的和声進行と言って、1音ずつ階段を上がったり、下りたりするような音がふんだんに使われていることです。もう1つは循環形式と言って、印象的なモチーフを何度も登場させて、曲の統一を計っているところです。

「フランクはとても良い人柄で勤勉家であったそうです。この曲は彼の人生や気持ちが反映されて、とてもドラマチックで好きな作品です」と新居さん。

この曲に関しても同様に譜面をスクリーンに映しながら、先に述べた特徴を演奏していきました。

 

最後にはリサイタルの2部について話が広がり、日本の作曲家で三善晃さんが25歳の時に書いたソナタを演奏することを伝えます。

 

 

最初のテーマにはドレミファソラシドの7つの音すべてが使われるのが特徴。

この7という数字が核となり、少し不安定な7度の音程を多用し、表情がころころと変わるように曲が進んでいきます。

三善さんはフランスの作曲家デュティユーに憧れを抱いていたその影響か、この曲は彼の作品と類似点が多く見られると双方の楽譜を見せながら形が似ている部分をそれぞれ演奏していきました。

「学ぶことは真似ぶとも言うので、型に入って型を破ると言いますが、三善さんもそうだったのかもしれませんね」と新居さん。

 

3人の作曲家の作曲解説という盛りだくさんな内容に、聴講に来た人からは「充実した内容で、11月のリサイタルがより楽しみになりました」との声が上がりました。

 

ポリフォニー音楽を中心にした新居由佳梨さんのリサイタルまで1カ月を切りました。この機会にぜひお楽しみください。

 


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