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【レポート】松本蘭 アーティスト・イン・レジデンス~真田地域

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【レポート】松本蘭 アーティスト・イン・レジデンス~真田地域

 

さまざまなオーケストラとの共演はもちろんのこと、幅広い分野で活躍するヴァイオリニストの松本蘭さん。6月、真田地域でアウトリーチ活動を行いました。

その中から、傍陽小学校での放課後コンサート、本原小学校でのクラスコンサート、真田中央公民館での「地域ふれあいコンサート」についてレポートします。

 

 

6月14日(木)放課後コンサート at 傍陽小学校

 

窓の外に夕暮れの里山の風景が広がる音楽室。児童やご家族、先生方が拍手で迎えるなか、松本さんとピアニストの山中惇史さんが登場し、アットホームな放課後コンサートが始まりました。

 

 

ヴァイオリンを実際に見るのは初めて、という児童も。松本さんは楽器がよく見えるよう目線の高さに近づけ、音が出る仕組みを説明します。

 

続いては実際に曲を演奏しながら、さまざまな演奏技巧を解説。速いテンポの曲、指で弦を弾く曲などを次々と披露し、「優雅に弾いていると思われるのですが、実際は全速力で100m走を何本も走っているように大変なんです」と話してくれました。

 

 

ここで、「もし世界から音楽がなくなったらどうなるでしょう?」と問いかけた松本さん。子どもたちからは「楽しくない」と答えが返ってきました。松本さんはうなずいて、「私は、人間から音楽を取ったら生きていけないと思います。言葉の壁を超えて分かり合えたり、嬉しさや悲しさを音楽を通して感じたりできるから」

 

そして演奏したペルトの「鏡の中の鏡」は、「音楽が大切なものであると感じてほしい」との松本さんの言葉で、目をつむり耳に神経を集中させて聴いてみることに。繊細な音色が空気を震わせ、心を柔らかく包んでくれるようでした。

 

 

 

6月15日(金)クラスコンサート at 本原小学校

 

5年生の児童が拍手で迎えるなか会場に現れた松本さんと山本さん。早速、エルガーの「愛の挨拶」を演奏しました。

 

 

続いて松本さんは、ピアノと比べながらヴァイオリンの音が出る仕組みを解説します。ピアノは88鍵の音を出すために247本の弦が張ってある一方で、ヴァイオリンはたった4本の弦で音を奏でること。ピアノは鍵を押せば決まった音が出せる一方で、ヴァイオリンは弦を抑える位置が1㎜でもちがえば音が狂ってしまうこと。「何度も練習して身体で覚え、自分の感覚で音を作りだす」のだと松本さんは言います。

 

 

さらに、ヴァイオリンは弓をなめらかに動かすだけではなく、弓を弦の上で跳ねさせる、弦を指で弾く、あるいはスラースタッカートなど、さまざまな弾き方があることを実演しました。

 

2曲目のサラサーテ「序奏とタランテラ」では、美しく伸びやかな“序奏”から一転、後半の“タランテラ”では激しい演奏技術が駆使されます。「毒グモに噛まれたら、毒を抜くためにひと晩中、踊り続けなけらばいけない」。そんなストーリーを想像しながら、一同、演奏に耳を傾けました。

 

最後の曲はモンティの「チャルダッシュ」。松本さんいわく「ピアノとヴァイオリンで会話をしているよう」な息の合った演奏に、最後まで魅了されるクラスコンサートとなりました。

 

 

 

 

6月16日(土)地域ふれあいコンサート vol.39 at 真田中央公民館

 

 

冒頭、ひとりステージに現れたピアニストの山中さん。力強く鳴らすピアノの曲調が変わったところで、真っ赤な衣装に身を包んだ松本さんが登場します。ピアソラの「リベルタンゴ」を力強くのびのびと演奏し、会場を圧倒しました。

 

 

「上田駅に降り立つと、空気が一変しますね!」と笑顔で挨拶した松本さん。高原のように空気がおいしくて感動する、と話してくれました。

2曲目の「愛の挨拶」では1曲目の力強い眼差しから一転、柔らかな表情を浮かべながら、みずみずしく高音を聴かせます。

 

「ヴァイオリンの技巧を見せる本格的な曲です」と紹介したのは、チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲より第3楽章」。

「作曲当時、あまりの難度にヴァイオリニストが『演奏不可能!』と楽譜を突き返したと言われています」

チャイコフスキーの故郷、ロシア民謡のメロディーをふんだんに取り入れた曲は、濃密な音色の中にも軽やかさがあり、ヴァイオリンのさまざまな音色を堪能させてくれます。ピアノとのコンビネーションも見事で、演奏後は客席から感嘆のどよめきが起こりました。

 

続いては作曲家でもある山中さんの「即興の作曲コーナー」。

 

 

その場で曲を一つ完成させるという、アウトリーチでも好評だった企画です。お客様3人から一つずつ挙げてもらった音は「ソ、ド、ミ」。「今まで数え切れないほど作曲コーナーをやってきましたが、まさか一番ベーシックな和音の『ドミソ』が出てくるとは。これは逆に難しい」と苦笑いの山中さん。そう言いながらも、わずか1分ほどで曲が完成。山中さんと松本さんは二言三言、言葉を交わしただけでその場で演奏を始めます。「ソドミ」のフレーズを使ったメロディーは優しく凛として、即興とは思えない素晴らしさ。客席から大きな拍手が起こりました。

 

 

そして最後のアンコール。冒頭の鋭いフレーズが鳴ったとたん、客席から驚きの声が上がります。曲目は「真田丸メインテーマ」。真田地区だからこそ演奏したいと、松本さんが初めて挑んだ曲です。超絶技巧が多数織り交ざる激しくも美しいメロディーに、子どもも大人もじっと耳と目を傾けていました。
終演後はロビーでサイン会が行われ、お二人とも気さくにおしゃべりや写真撮影に応じました。訪れたお客様からは、「ヴァイオリンはもちろんピアノも素晴らしく、両方を堪能できて良かった」「最後の真田丸のメインテーマは鳥肌が立った」「松本さんが美人で、演奏する姿に見とれました」などの声が聞かれました。

 


【プログラム】

ピアソラ:リベルタンゴ
エルガー:愛の挨拶

プッチーニ:オペラ「トゥーランドット」より“誰も寝てはならぬ”

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲より第3楽章

リスト:パガニーニによる大練習曲第3曲ラ・カンパネラ松本蘭:グロウモンティ:チャルダッシュ

アンコール服部隆之:「真田丸」メインテーマ


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