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【レポート】アーティスト・イン・レイジデンス~津野田圭さん

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クラスコンサート in 上田市立川辺小学校
2018年6月28日(木)

 

ハープ奏者、津野田圭さんによるクラスコンサートが上田市立川辺小学校で行われました。

 

 

5年生2クラスの児童が、音楽室中央に据えられた大きなハープを囲むようにして座るなか、津野田さんが登場しました。子どもたちのほとんどは、ハープという楽器を見るのも、音を聴くのも、今日がはじめて。

津野田さんはまず「水の動きが表現された曲」という、アッセルマンの「泉」を演奏しました。

 

弾き終わった津野田さんが「なんてやさしい音がするんだろうと思いませんでしたか」と話しかけると、うなずく子どもたち。それは指で直接弦をはじくからだと津野田さんは言います。ハープは47本ある弦を、小指をのぞいた8本の指で弾いて演奏するのです。

 

そして、楽器本体はカエデの木でできていること。弦は、低音がスチール、中音がガット(羊の腸を細くしたもの)、高音がナイロンと、音域によって材質がちがうこと。足元にはドからシに対応した7本のペダルがあること。このペダルでシャープやフラットの音を出すことを説明してくれました。

「優雅に弾いているように見えますが、じつは、足は結構忙しい」と津野田さんが言います。

 

続いて演奏されたのは、バッハの「G線上のアリア」と、ヘンデルの歌劇セルセより「懐かしき木陰よ」の2曲。どちらの作曲家も1685年にドイツに生まれ、バロック時代後期に活躍しました。耳慣れた曲もハープで奏でられると、よりあたたかな楽曲に聴こえました。

 

 

再び、津野田さんが子どもたちにやさしく語りかけます。ハープは重さが40〜45㎏もあって、とてもひとりでは運べないので、ハープを運ぶ専門家がいること。

津野田さんがはじめてハープを弾いたのは小学2年生で、祖母に誘われたのがきっかけだったこと。最初はみんなとちがうことをしているのが恥ずかしくて、秘密にしていたこと。

でも、はじめて聴いた時からハープの音色が大好きだった津野田さんは「ずっと続けてきて良かった」と言います。「それぞれちがって、いいのだと思います。正解もまちがいもありません」。そんな言葉に、子どもたちが耳を傾けます。

 

4曲目のフォーレ「ハープのための即興曲 作品86」の演奏に続き、体験コーナー。児童2人がハープを実際に弾いてみることになりました。

順に椅子に座り、傾けたハープを右肩で支えると、「思ったよりも重くない」とのこと。

 

 

そして弦を弾き、「きれいな音が出せた」「横から見るのと座った位置から見るのでは、全然ちがって難しかった」という感想をそれぞれ述べました。

 

最後の曲は、ドビュッシー「2つのアラベスク第1番」。演奏を前に、津野田さんが声をかけます。「近くで見たい人がいたら、好きな場所に移っていいですよ」。子どもたちは互いに目配せしあった後、一斉に津野田さんの足元に集まりました。

 

 

ハープのギリギリまで身を寄せ合い、見上げる子どもたちの生き生きとした顔に、津野田さんからは思わず笑顔がこぼれます。そして子どもたちは、最後の演奏を惜しむように聴き入りました。

教室に響くハープの音色ともども、やさしくあたたかな雰囲気に包まれた演奏会となりました。

 

 

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地域ふれあいコンサート vol.40

6月30日(土)14:00開演 at 城南公民館

 

 

身近な場所で音楽に触れて欲しいと上田市の9地域で行われている「地域ふれあいコンサート」。40回目となるこの日、グランドハープ一台での演奏会が城南公民館で行われました。前日までに上田市立南小学校や川辺小学校を訪れたハープ奏者の津野田圭さん。そこに参加していた児童の姿も多くみられました。

 

 

大きな拍手の中、登場した津野田さん。「暑い日ですが、ハープの音色で少しでも心が涼しくなれる時間になればいいなと思います」と挨拶。

昨日訪れた小学校の児童が来てくれていることにも気付いたようです。

 

1曲目はハーピストであり、作曲家でもあるアッセルマンの「泉」です。

和音が響き合う涼やかな音色に会場は聴き入ります。

 

 

曲が終わると、近くで目にする機会の少ない楽器、ハープの説明をしてくれました。

材質は10年以上乾燥させたカエデの木。

「よく重いでしょ?と言われますが、重さは40kg。私より軽いんです」と笑いを誘います。

 

 

「弦は47本あり、音域によって材質が違いますが、ハープの最大の特徴は足もとにある7本のペダルです」というと、少し立ち上がってのぞき込む観客もおり、みんなハープという楽器に興味津々。

「ペダルは3段階になっていて1つの弦で3つの音程が出せるようになっています」というと、実際に1本の弦をはじき、音の変化を実演してくれました。

その違いに会場からは「ほー」と驚きの声が上がります。

「ピアノでいう黒鍵がハープにはないので、足で半音を操作しながら演奏します。だからハープってすごく優雅なイメージがあると思いますが、実は足もとは結構忙しいんです」。

ハープの意外な演奏法に観客からは笑いと驚きの両方の反応が起こりました。

 

2曲目はパリ音楽院の学院長を務めていたフォーレがハープの試験のために書いた曲「即興曲」です。優雅さとダイナミックな弦の響きというハープならではの魅力にあふれた1曲でした。

 

3曲目はバッハ、4曲目はヘンデルという二大作曲家の有名な曲です。

耳馴染みあるバッハの「G線上のアリア」の優しいメロディに観客は目を閉じ、耳を傾けます。

続けてヘンデルの「歌劇『セルセ』より“懐かしき木陰よ”」。

そして5曲目はドビュッシーの「アラベスク第1番」です。

「この曲はピアノのために書かれた2つのアラベスクの1曲目ですが、まるでハープのために書かれたような相性の良さなんです」と津野田さん。

流れるような旋律と響き合う弦の音色。ハープを奏でる手が止まると、会場から拍手が沸き起こりました。ドビュッシーが好きでフランス留学中にその生家を訪れたという津野田さん。日本と深い関係があるというエピソードも披露してくれました。

 

 

最後は当時にしては珍しい女性作曲家、タイユフェールが1曲だけハープのために書いた「ハープのためのソナタ」です。3楽章を続けて演奏し、女性らしい優しく滑らかな旋律、そして弦を力強くはじく音色まで、さまざまな表情を見せる1曲でコンサートを締めくくりました。

 

アンコールの拍手に迎えられ再び登場した津野田さん。

「みなさんも知っている日本の曲を演奏します。よかったら一緒に歌ってください」と、アンコール曲に選んだのは「夏の思い出」です。

演奏に合わせあちこちから歌声が沸き起こり、夏の暑さを忘れるひとときを楽しみました。

 

終演後、グランドハープを近くで見られる機会が設けられ、ハープの周りに観客が次々とやってきました。注目を集めたのは先ほど教えてもらった足もとのペダルと音域によって素材の違う弦。「これがナイロンで、これがスチールで」とお母さんと一緒に確認する小学生。「後ろの方はこんなに大きいんだ」と、いつもは舞台上にあるハープの大きさに驚く人などさまざま。

また、コンサート終了後のサイン会では、津野田さんにたくさんの観客が演奏会の感想を伝えていました。

 

 

8月31日(金)には津野田圭さんによるアナリーゼワークショップが。そして9月15日(土)には、ハープリサイタルが開催されます。

コンサートホールでの響きもぜひお楽しみください。

 

 

 


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