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【レポート】「桂 九雀で田中啓文、こともあろうに内藤裕敬。笑酔亭梅寿謎解噺~立ち切れ線香の章」

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平成30年度公共ホール演劇ネットワーク事業

桂九雀で田中啓文、こともあろうに内藤裕敬。 笑酔亭梅寿謎解噺〜断ち切れ線香の章

2018年10月13日14:00開演 at 大スタジオ

 

 

 

 

落語、芝居が融合した本公演は、田中啓文の著書『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』の第1巻にある1章を演劇化したものです。
演出には三十年来の付き合いだという南河内万歳一座の座長で劇作家・演出家の内藤裕敬さんに依頼し、2012年に初演を迎えました。
時を経て全国7つの会場で再演となり、3カ所目がサントミューゼで開催となりました。

 

第1部では落語をモチーフにした、公演タイトルの芝居を上演。

まっ暗なステージにジャージに身を包んだ3人が登場。弟子を取ろうにも人が集まらない冴えない落語家を演じる赤いジャージに身を包んだ桂九雀さんのところに、「ダイエットできる」といううたい文句に騙されて来たのは、ちょっと太めな2人。
黄色いジャージの空間悠々劇的のことえさんと青色のジャージ劇団いちびり一家の阪上洋光さんだ。

 

 

桂九雀さんの落語からストーリーは始まり、これはまるで高座のようだと噺のテンポの良さに惹き込まれていると、2人が突然落語のストーリー展開にダメだしを始めます。
古典落語のお決まりの展開ではあるけれど、たしかに言われてみればそんな解釈もできるなと思わずにんまりしたり。
さらには自分だったらこう表現すると、弟子入りなんてしないと言っていた2人が交互に落語を見せ始めたりする様子はドタバタしたテンポで面白い。
落語というベースに芝居が解け合い、コロコロと舞台の表情を変えていく。
それはまるで九雀さんのテンポ良い落語の語り口そのままのようにも感じました。

 

 

 

物語の後半では九雀さんが演じる落語家にあった人生の出来事と落語の物語がリンクし、2人も徐々に落語とその落語家の人生に興味を抱いていくものの、最後は予想しなかった面白いオチとともに終演となりました。

最後までかけ抜けるように話し続ける3人の台詞や動きに、原作を知らない人でも存分に楽しめる内容となっていました。

15分の中入りを終えて、第2部では着物に着替えた九雀さんがあらためて上方落語について話しをしてくれました。

 

 

その特徴の1つは、落語の最中に入るお囃子があることです。

第1部にも登場していた岡野鏡さんは、現在23歳で日本で最も若い上方寄席囃子三味線奏者として知られています。

 

 

 

第2部でも九雀さんが喋る合間に間の手のようにお囃子をしたりと、あうんの呼吸で演奏していきます。

また、各落語家にはそれぞれ登場曲があり、名だたる落語家の曲を演奏してその特徴なども解説しました。

 

ひと通り上方落語について話したあとには、「桂九雀と舞台に立とう」という趣旨のワークショップに集まった市民も舞台に登場。
前日のワークショップで習った『七度狐』を5人でふり分けてリレー落語をしました。

 

 

 

同じ物語と登場人物ではあるものの、それぞれの解釈や表現によってまるで別の物語のように展開。

1つの物語で五度美味しいような感覚を味わえるものになりました。

 

 

 

 

 

今回の公演にはたくさんの観客が詰めかけました。落語、芝居それぞれのファンが集いましたが、双方が満足できる面白さがあったように思います。

またプロと市民がともに舞台に立つという、落語好きにとってはなかなか味わえない魅力的な機会にもなりました。
「めちゃくちゃ緊張しています!」と話していたワークショップ参加者もいましたが、終演後の彼らの充実した表情やニカっと笑顔で見守る九雀さんの姿など、通常の寄席では見られない姿やシーンも見える印象的な公演となりました。