サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター・上田市立美術館)

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【レポート】『他人』関連プログラム『一般向け演劇ワークショップ』

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みる・きく

内藤裕敬さんとプロジェクトVol.2『他人』関連プログラム『一般向け演劇ワークショップ』

開催日
時間
15:00~
会場
サントミューゼ 大スタジオ

11月の演劇公演『他人』で演出を手掛ける劇作家・演出家の内藤裕敬さんのワークショップ、午後は中学生以上の一般向けに開催され、22人が参加しました。

自由な発想で遊びの可能性を体感する

まず「さまざま自由に発想してみようということだけです。セリフを言ったりはしません。演劇をしない演劇のワークショップです。さっそく行きますよ」と、内藤さんはホワイトボードに貼った名画『モナ・リザ』に新しいタイトルをつけてほしいと言います。「ひとつ不満があります。『モナ・リザ』というタイトルは、日本語で言えばサカグチ・ヒロコみたいなことなので、名画にふさわしいグッとくる名前をみなさんにつけてほしい」。参加者はホワイトボードの空いたスペースに、思いついたタイトルを書き込んでいきました。

「にらみつけてる女」「同級生」「サービス残業!」「うちの庭」……絵から連想できるものから、まったく違う切り口のものまで、いろんなタイトルが並び、内藤さんは「どれも『モナ・リザ』よりいいね」と面白がります。
次に、絵のモデルをしているモナ・リザに画家のレオナルド・ダ・ヴィンチが何か語り掛け、それに対してモナ・リザが何と答えたかを想像してたタイトルにしてみます。すると、より背景とストーリーを感じさせるタイトルが並びました。それを見ながら、「考えた言葉じゃなくて、遊んだら出てきちゃった、スパークした言葉」と、遊ぶことの可能性に内藤さんが言及します。

続いては、スピーカーから流れる音楽から「曜日」「1月~12月」「数字」をイメージします。「週の真ん中でまだ2日ある」「水曜日にしては明るい」「雪が降った翌日に晴れて雪がチラチラ舞う」「子猫と蝶々が遊んでいる」「1位になれなかった2の悲しみ」「部活動の大会を思い出す」など、多彩なイメージが出てきました。中には詳細な実体験として語る人もいました。

やってみて自分がどうなるかを楽しむ

続いては音楽と絵からイマジネーションをふくらませます。絵は札幌芸術の森美術館と、サントミューゼの上田市立美術館が所蔵しているものです。高層ビル、係留された船、川沿いの道の絵と短い音楽から、「吸血鬼が潜んでいる」「嵐の中をゆく予感」「このあとに水害が起きる」といったイメージが導き出されていました。

最後は、音楽を聴いて絵で表現をします。これも正解はなく、感じたものや生まれたイメージを絵にしていくように内藤さんが促します。

「最後に演劇の話をしますね。戯曲を書く時に『こういうのを書きたい』と思って書くと、案外うまくいきません。私たちは『○○について書け』とずっと言われて育ちました。でも、書いているうちにテーマは出てきます。演劇や音楽をどう見たり聴いたりすればいいかわからないという人もいますが、見たら、聴いたら自分がどうなるかを楽しんでほしい。自分の中にさまざまな現象を生むことを面白がるというのかな。そうするともう少し踏み込みたくなって、自分の生きる時間が変化していきます。遊びを忘れず楽しんでください」。

参加者の感想です。演劇部に所属する高校3年生の女性は「演劇が好きで大会で勝ちたいがためにいろいろやってきましたが、自分の中で工夫すればいいことを初めて知ったので、実践してみたいです」と話してくれました。友人同士で参加された女性たちは「他の人がどう感じているのかを知るのが面白かった」「他の人と同じ感じ方をしているのが分かるのも楽しい」「最後の話もよかった」とうなずき合っていました。

取材・文:くりもときょうこ
写真:齊梧伸一郎