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【レポート】デュエットゥ かなえ&ゆかり ピアノリサイタル

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【レポート】デュエットゥ かなえ&ゆかり ピアノリサイタル
2017年3月11日(土)ピアノデュオリサイタル at サントミューゼ小ホール

 

 

木内佳苗さん(かなえ)、大嶋有加里さん(ゆかり)による連弾と2台ピアノ専門のピアノデュオ、デュエットゥ。

1月から上田を訪れ、小学校のアウトリーチや公民館コンサートなど多彩な活動を行ってきた2人が、サントミューゼでリサイタルを開催しました。

 

 

二部構成の第1部は連弾での演奏。

2人が連弾で弾きたかったという名曲が満載です。

 

 

オーケストラで初めて聴いたという「ハンガリアン舞曲第5番」は、連弾の楽譜を見つけて練習を始めたものの、二人で完成度を高めるのは難しかったそう。
「呼吸を合わせたりお互いの手元を見たりしながら、息を合わせています」
演奏が始まると二人の息づかいが感じられ、凛とした緊張感に包まれます。音の輪郭が際立ち、一体感に圧倒されました。

 

 

「1+1=2でなく、さらに膨らむのが連弾の面白さ。

二人なのに一人で弾いているように音が溶け合うのも魅力ですね」

 

 

 

ピアノ連弾組曲「マ・メール・ロワ」は、二人の思い出の曲です。

デュオを組んでロンドンに留学した時のこと。

先生に「二人の音がまったく揃っていない」と言われ、なんと1年間、ドレミファソの5音を合わせる練習しかさせてもらえなかったそう。

 

「苦しかったですが、2人の音を合わせるために努力しました。

1年後、ようやく演奏していいと言われたのが『マ・メール・ロワ』だったのです」(かなえさん)
「この曲を演奏する時は、今でも緊張感があります」(ゆかりさん)

 

 

今日は組曲のうち3曲を演奏。

人形が遊ぶ情景が目に浮かぶ第3曲から一転、第5曲は水が流れるように静かな曲。

それぞれ違う魅力があり、心地よいハーモニーに浸ることができました。

 

 

 

約10年前から、コンサートなどで訪れた土地をイメージして曲を作り、プレゼントしている二人。

上田市をイメージした曲を、今日に合わせて作ってくれました。
「上田でいろいろな地域を訪ねて、子どもたちに上田の良さを教えてもらって。

季節の移り変わりもイメージしました」

 

 

タイトルもまだない、できたばかりの曲。

ピアノの前に座り、少しの間目を閉じてから演奏が始まりました。
静かなリフから始まる清々しいメロディー。

ゆかりさんの低音をベースに、かなえさんのメロディーが軽やかに躍ります。

二人の役割は、街を見守るおおらかな川の流れと、春を迎えて躍動する風や草花のよう。

おおらかさと繊細さが共存した音を通じて、上田を想う気持ちが伝わってきました。

 

 

 

そして第2部。

ステージ上には、2台のピアノが向かい合っています。

 

 

 

2台になっても息はぴったり。

最初の「カルメン組曲」から、素晴らしい迫力に心をつかまれました。

音が立体的に重なり、ハーモニーはもちろんですが、2人が力を見せつけ合う掛け合いのような瞬間もあり、連弾とは違う力強さに引き込まれていきます。

 

 

続いては先日のアナリーゼワークショップで取り上げた曲「屋根の上の牛」。

(※アナリーゼワークショップの様子はコチラ

 

「2台ピアノの素晴らしさがたくさん詰まった曲です。

“変な音”がたくさん出てきますが、決して間違ってはいないんですよ」

 

 

華やかなテーマメロディーで始まり、サンバやタンゴなど、作曲者・ミヨーが異国ブラジルで得たエッセンスがたっぷり散りばめられたこの曲。

 

2台ピアノならではのリズムの掛け合いが楽しく、かと思えば一体になってグルーヴ感を生み出したりと、長い曲ながらもまったく飽きさせません。

 

印象的なのが、随所に入る不協和音のような音色。

頭のネジが少し緩むようなおかしな気持ちになり、テーマメロディーに戻るとモヤモヤが回収されて、かと思えばまた不思議な音がやってきて……

と、なんとも不思議な構成。

楽しそうに演奏する2人の表情も印象的でした。

 

 

「上田で過ごした1月と2月を思い出しながら演奏しました。

みなさんに素敵な春が訪れますように」

と、アンコールは「さくらファンタジー」を披露。

 

 

終演後のサイン会も大盛況でした。

 

 

お客様の中には、上田をイメージした曲のタイトルの案を渡してくれる方も。
「みなさんとても喜んでくれて、嬉しかったです」
と笑顔の2人。

また上田に訪れてくれる日を願っています。