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【レポート】川久保賜紀 ヴァイオリンリサイタル

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【レポート】川久保賜紀 ヴァイオリンリサイタル

2016年11月18日(金)、国ヴァイオリニストとして国内外で活躍する川久保賜紀さんのヴァイオリンリサイタルが小ホールで行われました。

 

今年度のアーティスト・イン・レジデンスでは上田市神科・豊殿地域を担当している川久保さん。

6月にはピアニストの江崎昌子さんとともに、小・中学校でのアウトリーチと「地域ふれあいコンサート」を開催しました

今回のリサイタルも、おふたりによるアンサンブルです。

 

前半の部は「ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調 作品12-1」でスタート。

ヴァイオリンとピアノの力強い同音で始まるこの曲は、まさにコンサートの最初を飾るのにふさわしい明るく華やかな印象です。

ゆったりと伸びやかな演奏が、曲調の美しさをより際立たせているようでした。

 

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演奏後、川久保さんがあいさつ。
「6月には4日間上田に滞在し、おいしいものを食べたり温泉にも出かけ、すてきな時を過ごすことができました。

今日は少し季節が変わり、きれいな紅葉も見ることができ、また違った上田にふれられてうれしいです」
その言葉に、会場からは温かい拍手が沸き起こっていました。
また、集中力を研ぎ澄ませているような演奏中の表情とはまた異なり、やさしく柔和な雰囲気のあいさつは、自然体な魅力が光る川久保さんの人柄を表現しているようでした。

 

続いて「ベートーヴェン/ロマンス第2番 ヘ長調 作品50」を演奏。

甘美で美しい旋律で広く親しまれているヴァイオリンの名曲です。

 

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演奏に先立ち、川久保さんは「1797年に作曲された先ほどの『ソナタ』とほぼ同時期に書かれたすてきな曲で、オーケストラとよく演奏される曲でもあります」と紹介。

今回の演奏はオーケストラとは異なるピアノだけの伴奏だったため、ヴァイオリンの艶やかな音色がより響きわたるように感じられました。

 

3曲目は「クライスラー/シンコペーション」。

これまでの美しく優雅な印象の2曲から一転し、踊りたくなるような軽やかなリズムです。

洒脱で奔放なハーモニーで、会場全体がパッと華やぐようでした。

 

休憩を挟んで、後半は江崎さんのピアノソロ演奏でスタート。

ショパン演奏が高く評価されている江崎さんによる「ショパン/舟歌 嬰ヘ長調 作品60」です。

ショパンの晩年の傑作といわれる作品で、どこか叙情的なもの悲しさを感じさせるピアノ曲。

柔らかく味わい深いクリアな音色が心地よく会場に響きます。

プログラムノートには「これを演奏するピアニストには完璧な技巧と適切な表現手段、そして“心”が要求される」とありましたが、まさにその言葉の通りと思われるような、江崎さんのショパンに対する想いが伝わる演奏でした。

 

その後、川久保さんが再び登場し「前半は中央から北ヨーロッパの作曲家の作品を演奏しましたが、後半はイタリアなど南欧の作品を演奏します」と紹介。

そして、続く「ヴィターリ/シャコンヌ」について「この曲はバッハのものより以前に作られ、ありえないリズム感と音の切り替えが特徴です。じんわり始まり、次第にエスカレートしていきます」と解説されました。
演奏は川久保さんの高度な技巧が冴え渡り、江崎さんとのコンビネーションもすばらしく、聴きごたえたっぷり。

最後にかけての盛り上がりや躍動感に引き込まれるようでした。

 

そして「サラサーテ/アンダルシアのロマンス」と、6月のアウトリーチやふれあいコンサートでも演奏された「ファリャ/スペイン民謡組曲」でプログラムは終了。

民族色豊かなこれらの作品を表情豊かに表現したおふたりに、鳴り止まない拍手が贈られました。

 

アンコールは「ブラームス/ハンガリー舞曲 第5番」と「タイスの瞑想曲」。

心に染み入る音色からエレガントさや情熱が伝わってくるような美しい演奏で、心地よい余韻に包まれながらの終演となりました。

 

終演後のサイン会には、顔なじみと思われるファンの方々も。

 

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おふたりともすてきな笑顔で一人ひとりの目をじっと見てお話をされている姿が印象的でした。

そういった親近感もまた、おふたりの魅力をさらに輝かせているのだと実感したリサイタルでした。